オールナイト前後に観た映画 そして水原希子と「ノルウェーの森」
一昨日、オールナイトで観た怪獣映画のことを書きましたが、
その前と後にも映画を観ています。
「エイリアン・コヴェナント」と
「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」
の二本(合わせて二日で六本。これは新記録)
監督は、シリーズ最初の「エイリアン」も撮った大御所リドリー・スコットと、
で、結果はというと、まあ両方とも払った料金分は十分楽しませてもらいました。
「お値段以上♪」か…うーん。
話は変わります。
「奥田民生…」に、水原希子さんという女優さんが出ています。
私は彼女の映画デビューだった「ノルウェーの森」を観ていて、
実はそれがかなり良かったのです。
そして、彼女は今売れているのですが、
なんか半端な感じの売れ方だなあと感じています。
「奥田民生…」でも、彼女の特質(!)である可愛さやスタイルの良さといった所は、それこそ“舐めるように”撮っていたのですが、
うーん…この人はそれだけじゃないんだよなぁと。
で、映画「ノルウェーの森」です。
監督はトラン・アン・ユン。
「青いパパイヤの香り」を撮った、ベトナム出身、パリ育ちの人です。
主人公のワタナベが松山ケンイチ、直子が菊地凛子、そして緑が水原希子。
一般的な評判はもう一つだったようです。
村上春樹のこの小説、「思い入れ」の強い人が多いのだと思います。
特に直子については、
『ああ、私の「直子像」が…』といった感じの感想が多い。
けれど、そもそも小説と映画とは別物なのだし。
あの小説は私も熱心に読みました。
愛着もあります。
その上で言うのですが、
映画の方のあり方も、とても納得できるものでした。
菊地凛子の「直子」については、
確かに初めの内は私も違和感がありました。
けれど映画のストーリーに沿って観ているうちに、
あの、いつも足が地表から少し浮いているような女性が、
人の肉体を持って生きていたとしたら、
うん、そうだ、きっとこんなだ、と、
何か夢から覚める思いでスッキリと腑に落ちたのでした。
そして緑役の水原希子、
小説と違い、映画では緑という個性についてあまり掘り下げていません。
けれど、死の匂いが色濃いこの物語の中で、
彼女は、健康な世界からの、
時にはっとするような光を投げかけてくれるのです。
それから、ちょっとしたエピソードを。
後で知ったのですが、監督が脚本で煮詰まったとき、
村上春樹自身がその部分を脚本化してみせたとのこと。
村上は早稲田時代、映画を学び、かなりの本数のシナリオを書いたそうです。
そして監督も、原作に非常に愛着があると言っています。
けれど、監督は村上のシナリオを採用しなかった。
「それでいい」村上は言います。
「映画は監督のものだから」
ということで、多少ともこの映画に興味を持っていただけたなら、
DVD等で一度(あるいは、もう一度)見ていただきたいのです。
小説とは少しだけ距離を保って。
もっと評価されていいのに、と思っているのです。
「出会う男すべて狂わせるガール」って…
ちがうんだよねー