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気の向くままに、現在と過去のcultureについて綴ります。どうぞ、お気楽にお付き合いください。

「中島春雄追悼」四本立てオールナイトin池袋

昨夜は日本を縦断した台風18号が、関東地方も通過しました。


みなさん、大丈夫でしたでしょうか?

 

 

そんな中、私はと言えば、

中島春雄さんという、初代ゴジラ役者さんの追悼四本立てを、

オールナイトで観に行ったのでした。


「台風」「還暦過ぎ」「手術後」「オールナイト」の四重苦。

でも、前売り券を買ってあったのもので。

 

 

さてさて、選りすぐりの四本の怪獣映画の内、私の一番のお目当ては

 

 

この作品です。

 

色が白くて痩せた小学生だった頃(笑)、兄に連れられて「東宝電気館」という劇場で観ました。
そしてその後も永く、この作品が「怪獣映画、我が心のベスト1」であり続けています。

(その日買ったパンフレットは、今でも大事に持っています)

 

 

ですが、そんな作品も、今観直したら果たしてどうなのでしょうか。

うーん…

 

 

まず、私が思い出すのは暗いタイトルバックです。


アルコールランプの炎に炙られたガラスの実験器具。

透明の細い管を蒸留された謎の液体が伝わって、ビーカーに少しずつ溜まっていく。


ドラマが始まっても暗い場面は続きます。


敗戦前夜のドイツ。

実験室の水槽に揺れているのはドクンドクンと脈打っている心臓。

それが密かに運び出され、Uボートで国外へ。

 

 

そして同盟国日本の、広島の病院に持ち込まれる。

 

 

志村喬扮する博士が

「鉄砲の弾でも死なない兵隊を作るためじゃよ」と言い、

実験を開始しようとしたその瞬間、

 

アメリカによる原爆が投下、巨大なキノコ雲が立ち上がる。

 


書き始めるとキリがありませんが、各シーンはかなり細かく覚えています。


で、改めて観直すと、これが今でも十分に怖いんです。

 

それとです、

この映画を特別なものにしているのは、

フランケンシュタインと怪獣の「大きさの設定」なのです。


例えば、

ゴジラは50m(シンゴジラではさらに大きくなっていますが)とされてるのに対して、この両名はなんと20m。

4割しかないのです。

この設定によって、

「坊や」と呼ばれながら巨大化したフランケンシュタインが、

夜、病院の牢獄から逃げる際、

団地の三階にある水野久美の部屋の窓に、

そっと顔をのぞかせるという名場面が生まれました。

 

 


また逃亡後も姫路城内に潜んでいたり、

山に逃げ込んでしまえば、森の木々に姿が隠れてしまうのです。

 

 

と言うわけで、私の心配は杞憂、この映画、今でも十分に面白かったです。

 

それと、60年代東宝の怪獣映画の楽しみは、

大村千吉など、ちょい役で必ず少しだけ出る常連役者たちを見つけること。


試しに「大村千吉」で、画像をググってみてください。
大村千吉の百面相。きっと吹き出すと思いますよ。

 

 

いやあ、本当に豊かな世界だなー。

 

 

外に出ると、まさに台風一過。

 


晴れ晴れとした空が広がっていたのでした。