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気の向くままに、現在と過去のcultureについて綴ります。どうぞ、お気楽にお付き合いください。

「ギミー・デンジャー」オリジネーターの受難

「ギミー・デンジャー」

 

 

音楽系のドキュメンタリー映画は、好きで良く観ます。


これは、「イギー・ポップ」と彼のバンド、「ストゥージズ」の歴史を振り返った映画。


そして監督は、「パターソン」公開中のジム・ジャームッシュです。

 

 

イギー・ポップ」といってすぐに思い浮かぶのが、

上半身裸で、激しくカラダをくねらせ、のたうつ、唯一無二のあのスタイル。


ずーっと、何十年変わらない。

 

胸筋下の皮膚が緩みシワが浮かぶ今も。
何が彼をそうさせるのか。


謎(笑)

 

  


けれど、画面からも、激しく何かが叩きつけられるのは感じられます。


そして今では、

パンクのオリジネーターとして再評価を受け

「ロックミュージックの殿堂入り」も果たしました。
(その式典の様子の映像もあり)

 

イギー自身は言います
「俺は『グラマラス』でも『パンク』でもない。自分の音楽をやって来ただけ」

 

思えば「パンク」は、私が学生時代に現れました。

それは、捉えどころのない社会への、極めて具体的な「苛立ち」を体現していて、

一気に心を鷲掴みにされました。

そして、瞬く間に、そう「燎原の火」のような勢いで広がったのです。


だから「反逆の表現」と見えたパンクは、

当時の「社会の追風」を受けていたとも言えます。

 

一方、イギーは誰の影響も受けず、

後の「パンク」に通じる「表現」を自分独りの身体で生み出していました。
そして、変化する社会の流れとは無関係に、ずっとそれを続けてきた人です。

 

 


初めて「犬の首輪」を首に巻き、初めて「観客に向かってダイブ」した人でもあります。
「ダイブ」の初期、床に激突した彼は、折れた前歯が下唇に突き刺さるケガを負っています。
また彼の煽情的な動きに興奮した客が暴れまくり、使った会場は次々と「出禁」になる。
ライブでは盛り上がるけれど 、レコードはまるで売れない。


センス先取りの天才、「デビット・ボウイ」が彼に注目していなかったら、

イギー個人も無名に終わった可能性が高いのです。

 


映画で語られるストゥージズの歴史はかなり悲惨です。

 

失意のうちに死んだメンバーも多い。
それが、再評価を受け、そして再結成。


泣かせます。

 

きっとイギーは

「最初に海水で芋を洗った猿」なんでしょう。
で、何が彼をそうさせたのか?


「謎」(笑)


 

「ギミー・デンジャー」


泣かせるタイトルです。