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気の向くままに、現在と過去のcultureについて綴ります。どうぞ、お気楽にお付き合いください。

人生初「ダウン」

久しぶりに、ボクシングの話です。

 


ボクシングを始めて、3年と少し。

 

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昨年末くらいから

「そろそろマウスピースを作りませんか」

と言われてました。

 

 

リングで闘うと言っても、それまでやっていたのは「マスボクシング

基本的に、顔面にはなるべくパンチを当てないようにします。

あるいは上級者とやらせてもらって、こっちは当てるが、相手は当てないようにしてくれます。

 

 

トレーナーは言いました。

「攻撃を受けながらパンチを打つのは、全然違いますからね」

 

 

そりゃあそうだろうと思う。

でも、こっちは「マス」で覚えることがまだまだたくさんある。

そう考えてました。

 

 

けれど、だんだん上手くなってきます。

 

こっちの「いいパンチ」が相手の顔に当たってしまうことが多くなってくる。

こっちだけ当てるのは、なんだか卑怯のように思えてくる。

それと、

「若いころからやってれば、いいとこまで行ったんじゃないですか」

「パンチが重いし、スピードもあります」

「体力ありますよねー」

などとおだてられ、60過ぎのオヤジが、正直いい気になっていた部分もあります。

 

で、ついに「マウスピース」を作りました。

 

 

意気揚々とジムへ。

「じゃあ、やってみましょうか」

 

初めてのスパーリング。

マウスピースを前歯に押し当て、

ヘッドギアを着け、カップを履く。

 

相手は若く、身長も少し上、体重と体力とはかなり上

経験豊富でテクニックははるか上、

 

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正直怖いし、緊張で固くなる。動きが悪い。

プロテクターとマウスピースの違和感。

すぐに息が上がる。

顔面にパンチを受ける。

12オンスのグローブとは言え、想像以上のショック。

 

 

いつものようにはパンチが相手に届きません。

まるでからかうように、ガード甘さを身体で思い知らされる。

2ラウンド目でボコ殴りに遭い、完全に白旗状態。

 

心の中で叫びました

「もうダメです!」

「見りゃあわかるでしょ!」

 

ところが、相手は攻撃の拳を止めません。

ガードが下がって、がら空きの顎にパンチ!

頭がくらっとして、しりもち。

ダウン。

 

 

トレーナーが飛んできました。

「大丈夫ですか」

「…ちょっとびっくりしただけです」

悪い予感はありました。

今日の相手は、「マス」の時に、

防具のないこちらにパンチを当ててきたことがあります。

苦手な相手。

いや、リングでは、相手にそう思わせないといけない。

 

立ち上がって、3分のゴングが鳴るまでは必死に闘う。

 

 

リングを降りるとき、会長が言いました。

「さん。試合ではもっと強いパンチが飛んできます」

 

 

 

相手は若く、身長も少し上、体重と体力とはかなり上

経験豊富でテクニックははるか上

 

もともと張り合おうなんて思ってない。

 

大して痛かったわけではありません。

ボクシングが怖くなったわけでもない。

けれど、ぐじぐじと心の傷が癒えない。

 

 

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だいたい

白旗状態の自分を見て、

相手が手をゆるめてくれることを期待する方がおかしい。

自分の心の弱さ。

 

 

ボクサーなんだから、

相手が倒れるまで殴るわい。

それが厭やったら、

リングに上がろうなんて

思わんかったらええねん。

 

 

わかってます。

わかってる。

  

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悔しい。

すごく悔しい!

 

人生初ダウン

 

ばかやろー!!

 

(この写真は、うちのジムで昨年「ミドル級全日本新人賞」を獲った加藤さん。内容とは関係ありません)