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気の向くままに、現在と過去のcultureについて綴ります。どうぞ、お気楽にお付き合いください。

ボクシング 東日本新人王決勝戦

「東日本新人王決勝戦」を観戦に、

後楽園ホールに行ってきました。

 

 

私の通っているジムから、

フライ級とミドル級ふたりの選手が出場しました。
設立してまだ5年の、小さな小さなジムとしては、画期的なこと。

 

開始時間に少し遅れて席に着くと、

ジムの女性が「すごい試合なんです!」と興奮して声をかけてきました。


はい。

リングを見上げるとフェザー級の両選手、

コーナー前で足を止めての猛烈な打ち合い。

 

「ほら、もう顔が変形しちゃって、パンフレットの写真と全然違う!」


結局、効率よくパンチを決めていた選手ではなく、

顔の変形をモノともせず、根性で打ち続けた選手が、

2対1の判定で勝ちました。

 

さすがは決勝戦。見所が沢山ありました。

 


まず、ライト級の「内藤未来」
この選手は私たちの世代には懐かしい、

「敗れざる者たち」や「一瞬の夏」で沢木耕太郎さんが取り上げた

あの「カシアス内藤」選手の息子さん。

お兄さんも全日本チャンピオンです。


相手の有岡康輔がまた猛烈に強く、かつ上手い。

3Rに有岡のパンチで尻餅をつき、そのままクルンと後方回転した内藤は、

自分に起こったことが理解できず、子熊のようにキョトンとしていました。

そして2度目にクルンとやった時、「そうか、わかった」とニヤニヤ。

その後が凄かった。両者一歩も譲らず息もつけない壮烈な打ち合い。

で、結局、有岡が勝ちました。
後の勝利者インタビューでは

「勝ちはしましたけど、試合の内容は最低です!相手のペースに巻き込まれて完全にキレてしまった。こんなのは僕のボクシングじゃありません!」
ははは。キレたプロボクサーふたりの殴り合い。

観てる方は充分面白かったんですけどね。

 

 

あと、「ジロリアン陸」という選手。

普段はマジシャンもやってるという変り種。

そして、お分かりでしょうかこのリングネーム。

そう、東京では有名な、野菜山盛り油コテコテ太麺の

ラーメン二郎」をこよなく愛する「ジロリアン」ボクサーなのです。

見えるでしょうか、着ているスカジャンは、金糸銀糸のラーメン丼の刺繍。

パンツにもラーメンをプリント。

そしてTシャツには「ヤサイ、ニク、アブラ、カラメ」と好みのトッピングの指定。
この選手、初戦で負けた以外はなんと堂々の7連続KO勝ち。

初戦の相手はお笑い芸人の「ロバート山本」だったと、なんとも色物色が強い。

 


戦い方も個性的で、いいパンチ入ったと見るや、かさにかかって攻めつける。

ラッシュ、ラッシュ、ラッシュ。

防御を気にせず猛然と連打。

ラッシュというのは、殴る方も息が上がるんです。

なにしろ29歳、見ていても息切れしてるのがわかる。

それでもやめない。

これを繰り返すうちに、ラッシュのパンチの何発かがアゴなどにヒットし始める。

そして最後にはレフェリーストップ。

勝ったとわかったジロリアン、ロープに駆け上がって諸手を挙げ、

うおーっ!!と雄叫び。

これで8連続KO勝ちとなり、今大会の「敢闘賞」を受賞しました。

 

 

さて、うちのジムの選手です。
まずフェザー級の清田選手は、開始早々、相手の強打を真面に食ってしまいダウン。

このダメージが回復しないうちに打ち込まれ、再度のダウン。

そしてすぐにレフリーストップがかかりました。

負けるにしても、まだ試合らしい試合もしていない。

いい選手なだけに、ちょっとかわいそうでした。

 

そして、最後の試合。今大会最重量級でもあるミドル級の加藤選手。
選手紹介で、ウチのジムのプロ選手第一号(今では5人います)であると紹介されました。
対する「優しんご」選手(なんちゅう名前や)は、宇都宮のジム所属、

普段は農業をやっているとアナウンス。
で、どんなお百姓さんが出てくるかのと思ったら、

なんと両肩と背中の刺青をメイクで消した跡がアリアリ。

オイオイ、どんなファーマーなんだよ!

これなら、うちの加藤さんの方がよっぽど「カールおじさん」っぽいぞ!


試合は、加藤選手が着実にジャブを打ち、的確にパンチを当てる、真面目な加藤さんらしい試合運び。

しかも準決勝の時より、格段に調子が良いのがわかる。
相手の優選手は妙に余裕があるような、常にニヒルな薄笑いで何を考えてるかわからないタイプ。

しかし、今日の加藤選手は相手のパンチを確実に弾いてしまう。
加藤優勢のまま試合は進み、3Rでついにレフェリーストップ。

つまりTKO勝ち。

とうとう、東日本で一番の新人ミドル級ボクサーとなりました!

 


ジムのみんなの大歓声!

最初に花束を渡した女性は泣いていました。

私も会長やトレーナーのみなさんと握手。
リングの加藤さんは日テレの上重アナに勝利者インタビューを受け

「とにかく、これまで応援してくれた、みなさんのおかげです」と真面目なまんま。


私、普段の練習中は

「いやあ○○さん、若い頃から始めてたら、かなりいい線いってたんじゃないですか」などと言われ、結構いい気になってたんですが、今回観てハッキリわかりました。
絶対にムリ!

 

次は12月23日。
西日本の勝利者と戦う、全日本新人王決定戦です。

 

 

また応援に行かなきゃ。