「幻の10年」
このところ、「三月書房」からの連想で、思いつくままに書いてます。
先に「幻の10年」という、私にとって幻の漫画のことを書きました。
でも、「幻の10年」という曲の方も、今では知っている人は少数派かもしれませんね。
これはイギリス60年代のバンド「ヤードバーズ」の曲です。
「ヤードバーズ」と言えば、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジの三代ギタリストが在籍したことで有名。
ヤードバーズの歴史は、ギタリスト三人の個性の差を含めて、ロックの発展史として、非常に面白いのですが、それはまた別の話。
で「幻の10年」、この曲はジェフ・ベックとジミー・ペイジがツインリードであった極く短い期間にシングルとして発売されました。
また、レコーディングにはセッションベーシストだったジョン・ポール・ジョーンズが参加しているので、「レッド・ツェペリン」結成の契機になったとも言われてます。
でも、そんな不安定な時期の曲ですから、LPには収録されていない。
つまり「レッド・ツェペリン」からロックを聴き始めた我々世代にとって、正に「幻の曲」だったわけです。
「渋谷陽一のラジオで昨日聴けたよ!」「えー!」という時代。
私は、ツェペリンマニアの後輩の部屋で、彼が友人にアメリカで探してもらった「海賊盤」で初めて聴きました。
この曲は「サイケデリックロック」の代表曲などと言われてます。
要は、60年代、若者文化が大変革を迎えた時期、
新しい時代の空気を何とか表現しようとした、先鋭的なミュージシャンたちの曲。
当時はドラックカルチャーの真っ只中でしたから「サイケデリックロック」
書いていて思うのは、昔は「情報」が本当に少く貴重だったということです。
ひとつの曲を聴くのに血まなこの大騒ぎ。
今ならYouTubeですぐですからね。
先に書いた画集「エンゼルアワー」も、mixiの「片山健コミュ」で画像をUPしたら、「初めて見ました」と大変喜ばれました。
今ならGoogle検索でいっぱい出てきます。
ついでに豆知識。
ツインリード時代のヤードバーズは、「アントニオーニ」の「欲望」という映画に出演しています。
そこでなんと「レモンティー」(サンハウス〜シーナ&ロケット)を演奏している!
えっ、あの曲は鮎川誠の作曲だったはず。
じゃあパクリ?
それもまた別の話。
おしまい。